近年、小学校では入学したばかりの1年生が集団行動がとれず、授業中に座っていられない、などで学校での授業が成り立たない状況が続く、いわゆる『小1プロブレム』が問題となっています。〓〓〓〓小1プロブレムとは??(出典:Weblio 辞書)〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓小1プロブレム読み方:しょういちプロブレム別名:小一プロブレム、小1問題、小一問題小学校に入学した児童(小学1年生)が、入学後しばらく経過してもなお入学直後の落ち着かない振る舞いを解消できず、受業の成り立たない状況が継続すること。小学1年の学級崩壊。小学校に入学して間もない頃は、教師の話を聞かない、授業中静かに座っていられない、教室や廊下で騒いだり歩きまわる、プといった勝手な行動を取る児童が少なからずいる。こうした振る舞いはひと月もすれば解消されると言われてきたが、近年ではいつまでたっても身勝手な振る舞いを解消できないケースが目立つようになってきており、問題視されている。〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓■主原因は『家庭のしつけ』???文科省の『幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議報告書について』内にしめされた、全市町村教育委員会へのアンケート結果(画像参照)では、小1プロブレムの主原因は「家庭のしつけ」や児童の自己抑制に関するものとされています。また、解決策として、子どもの状況を幼稚園・保育園、そして小学校が共有するなど、学校間の連携協力が不可欠としながらも、その実施ができていると回答した教育委員会は20%にも満たず、ほとんどの都道府県市町村で幼稚園教育と小学校教育の接続のための取り組みが行われていないことがわかっています。■動き出した5歳児義務教育化こうしたなか、政府の教育再生実行会議が小学校入学前の5歳児の義務教育化を検討課題とする提言を出し、幼児教育充実を図り、小1プロブレムの解決に乗り出しました。また、最終学年の5歳児の教育費を無償にすることもあわせて方針化しました。この5歳児義務教育化には財源を含めた多くの課題があり、実現には年間約7800億円の無償化費用が必要となります。■小学校の教師側の力量アップも課題一方で、教育評論家 尾木直樹さんはこの問題に関してこのような見方をしめています。 心をつかんだ教師のリードがあれば、いかに小1といえども、整然と行動し、授業規律を守るはずである。やみくもに従順なロボットのように動かそうとしても無理なのだ。 小学校の教師側の力量アップも心がけるべきだろう。どれだけ「市民科」で日常の基本的ルールを教えようが、あまり意味はない。子どもたちはもう「教えられること」に飽き飽きしているからだ。 それよりむしろ、日常の授業や生活のなかでこそ、規律文化を構築する「心の教育」を目指すべきではないのか。 躾や礼儀作法、整理整頓などは、どれも“心”の問題なのだから。 心を合わせれば、集団規律など「結果として」あっという間に確立するのではないか。(出典:http://www.ntv.co.jp/action/blog/critic4/2008/09/post_17.html )■家庭でできる、小1プロブレム対策保育園・幼稚園・小学校間での連携不足の問題、学校現場での指導力の問題が指摘されるなか、朝日新聞に家庭でできる小1プロブレム対策が紹介されました。 << 家庭でできる小1プロブレム対策 >>(白梅学園大学院・無藤隆教授:発達心理学:による)・生活のリズムをととのえる決まった時間に食事をする。小学校の給食は正午過ぎが多く、朝しっかり食べないとおなかがすいてしまう。もちろん、早起き・早寝も。・和式トイレになれさせる小学校では和式トイレが多い。洋式でないのをいやがってガマンしてしまう子も。ふつう2~3回使えば抵抗がなくなるので、外出先や小学校の参観日で慣れさせておく。・絵本の読み聞かせをする集中力がつき、文章に親しむことにもつながる。文字は読めれば書けなくてもよい。・自分のものを置く棚や場所を決める時間割に応じてランドセルの中身を自分で用意できるよう、持ち物管理を習慣づける。個室や学習机をすぐに与えなくてもいい。また、現在の幼稚園・保育園では座学での勉強の時間を定期的に取れている園はすくないため、ご家庭で座学での学習習慣をつけることや、公文、そろばん教室、習字など、座学の習い事を始めるのもおすすめです。ゆとり教育の廃止に伴う、学校教育の授業数の増加やモンスターペアレントの問題。そしてベテラン先生の大量退職など、教育現場の先生の疲弊がさけばれるなか、こういった問題は学校や先生だけの問題にもせず、そして国の対策に頼りっぱなしでもなく家庭でも積極的に対策をこころがけていくことがのぞまれるのではないでしょうか。ほかならぬ、大事な子どもたちの学習環境の向上のために。関連記事>>『5歳児から義務教育、小中一貫校も制度化 「6・3」→「5・4」など柔軟運用も 文科省方針: msn産経ニュース』 http://sankei.jp.msn.com/...4060407310002-n1.htm