EduKidsボードメンバー・ころんさんの子育て読書推薦の第3弾。今回は初心に帰って妊婦酸向けの一冊。子どもが大きくなってからも繰り返し読みたい名作です。*********************************************『大丈夫やで ~ばあちゃん助産師のお産と育児のはなし~』妊婦さん向けの本ではあるけれど、子育て中の母親はもちろん、多くの人が深く心を打たれる本だと思います。妊婦の時にこの本を読んでいたかったなぁ~と、心から思える初めての本です。ネット中に偶然、すごい評判の本だと知り、図書館でリクエストしたんですが、15人待ちとかで、何ヶ月も経ってやっと今日、借りられたんです。もう一気読みでした。妊娠中の具体的な不安ごとや新生児期についてのハウツーも素晴らしいですが、今の私の心に響いたものを、いくつか書きだしてみます。「胎児はただ寝てるだけやない。週に一億年の長旅をおなかの中でいてるんです」「妊娠しても手放しで喜べないとき、自分の両親との関係に思いを巡らせてみたらええ。親に対しての怨みつらみを日々たぎらせて暮らす人に、明日の繁栄はない、これは絶対です」「赤ちゃんは、お腹の中で一生懸命に脳の充実を図り、身体も成熟させ、『光り輝く人生を送りたい』と願った時、合図をおくってきます。それが陣痛なんです。だから予定日を過ぎてもヤキモキせんでええ。のんきな人はお産が軽く、何でも計算ずくの人はお産が大変になりがち、。これは私の経験上いえることです」「お産がゆっくり進むのは病気やない。赤ちゃんのエンジンがかかるのを楽しみに待てばええ」「誰にも助けられないのがお産。その苦しいお産を乗り越えて生まれたとき、赤ちゃんは大きな自信に満ち、やったー!という気持ちです。誕生の瞬間、死ぬような苦しみを乗り越えることに、私は大きな意味があると思います。一つとして同じお産はありません。同じ親から生まれてもお産が同じでないのは「人間は、一つのところに留まっていないから」。お産には、そのときの感情、精神状態がそのまま反映されます。だから私たち助産師はお母さんの心に寄り添うんです」「赤ちゃんが生まれるのは、何度立ちあっても不思議です。66年お産の現場にいて4000人近い赤ちゃんを取り上げていますが、同じ生まれ方は一つもありません。それは「同じ生き方が二つとない」というのと同じだと思います。お産は人間の手の届くものではなく、神の領域。神の領域のことを、人間があれこれ考えたり心配してりしても、始まりません」「生まれて3日間の新生児鋭敏期は、人間に備わっている原子運動がもっとも冴えた時期。その3日間は「自分は大切な存在なんだ」という「自尊感情」を育てるのにもってこいなんです。」「手抜きの子育てをしなさいね」ってみなさんに言うんです。しんどさなければ赤ちゃんをかわいく思えますから。赤ちゃんをかわいいいと思えることは、子育てでいちばん大切なこと。その気持ちからすべてが始まるんです」「『よっしゃ、今日から赤ちゃんと徹底的にかかわろう』お母さんがそう決意した瞬間から赤ちゃんが泣かなくなります。」「子育てがうまくいくかどうかの鍵は、お父さんが握っている、というのが私の持論」「1歳を過ぎたら、さぁお父さんの出番や。子どもが12になるまで自分の時間はないと思ってや。お父さんが子育てに無関心な家や、お母さんがお父さんを疎んじている家庭の子は、どんなに勉強が出来たとしても、残念ながら世間で通用する人間にはなりません」「こんな風に育てたい、と思ってやる子育てはたいていが失敗する。これ、断言できます。親のなすべきことは、自分の理想に子どもを当てはめることではなく、子どもの個性を感じ、それを認めてやること。子どもの行いに、親が乗っていくことなんです。そのためには、子どもとよくよく関わることが大事です」「真に一流の人を育てようと思ったら、自然に畏敬の念を持つ人間に育てることやね」「自分が大事にされている、と子どもが実感するためには、いまこの瞬間のタイミングを逃したらダメ。子どもってお母さんが忙しいときに限ってお母さんを求めてくっついてくるでしょう。そんなときは「用事ごとより子ども優先」にしてください。いま、この瞬間に答えてやらなければ、子どもは納得しません。水仕事中で抱っこできなければ、濡れた手が子どもにくっつかないように工夫しながら、腕だけで「ギュー」してあげたら、それでガソリン注入完了なんです。「さっきはごめんね」と、あとから取り返そうとしても、子どもは納得しません」最後には、助産師としての人生についてご自分のことを書かれていますが、これももう、本当に感動しました。特に旦那様との関係で、ずっと心にくすぶっていたものが、長い年月を経て、こんなことがあって、そんな風になったんだ・・・と、グッときました。60年前のお産の現場の様子も、ものすごい貴重な記録だと思います。優しく、柔らかく、あったかい、でも一本の筋が通ってて、大事なことはココ!とスッパリ断言している、フジエさんのお人柄の輝きがそのまま出ている、素晴らしい一冊になっています。ああ~~~~・・・・素敵な本に出会えるのって無情の喜び☆☆☆☆☆出典:http://aikoron.blog16.fc2.com/blog-category-8.htmlEduKidsボードメンバー:ころん プロフィール東京生まれ育ち、現在千葉県在住 現在小学生のママ大学卒業後、予備校スタッフとして生徒の進路指導を中心とした学習指導の仕事に携わる。結婚後に夫と世界一周の旅をした。出産後は、性格分類学「エニアグラム」の講座にて中級終了、アドラー心理学をベースにした勇気づけ子育て、モンテッソーリ教育を中心とした幼児教育を、各種講座に参加してきた。子どもが小学生になってから保育士の資格を取得し、現在は認可保育園にてパート保育士として仕事中。来年からは子どもが中学受験のための通塾が始まる。ちなみに夫は英語講師&予備校運営責任者なので、夫婦で教育について語りだすと止まりません・・・趣味はピアノ演奏と絵画、子どもと一緒に始めた囲碁。