EduKidsボードメンバー・土屋友紀さんは音楽家として多彩な活動を続けながらママ業もこなすパワフルウーマン。彼女の子育てには、いつも素敵な音楽と明るい家族の笑顔があります。子どもの音楽教育に関して、参考になるエピソード満載の新連載です。*********************************************はじめまして、土屋友紀と申します。私には2002年生まれ(小6)と2003年生まれ(小5)の女児がおり、育児に奮闘しながら、クラシック音楽演奏を中心に、各種指導やファミリーアンサンブルなど、様々な音楽活動をしています。私の経験やライフスタイル、考えを通して、少しでも皆さんの育児の参考になったり、スパイスとしてお役立て下さいましたら幸いです。【音楽との出会い~今】私は、全く音楽演奏とは所縁のない両親のもとに生まれました。4人兄弟の長女です。母は歌が好きだったようで鼻歌を歌っていた事を朧気ながらに覚えていますが、たまたま年長の時に幼稚園の先生が♪「ちょうちょ」を両手で弾き歌いする姿を見て、‘弾いてみたい’スイッチが入った事をはっきり覚えています。しっかり弾けるようになり、自信を持ってお家で弾いて見せた時に、母がすごく喜んでくれ、ピアノを習うきっかけになりました。 以来30数年、ピアノは生涯の友達になっています。初めて1年でバイエル上下が終わり、3年目にはショパンの「子犬のワルツ」が弾けるようになりました。5年目には「幻想即興曲」や「革命のエチュード」等、テレビやテープで聴いては凄いなと思った曲にも挑戦できるようになりました。先生は一生懸命指導下さいましたが、‘基礎練習’にこだわりを持たず、とにかく難しい曲を弾けるように尽力される方でした。私がピアニストに憧れ、音楽専門中学に当時3倍程度あった倍率を乗り越えて入学し、中学2年でその学校の専任講師の先生につけた時に、手の形を含め、基礎が欠如しているという現実を突きつけられたのですが、1から「ハノン」という教本や「チェルニー40番」というエチュード本を‘やり直し’という事態に正直萎えました。 ピアノを続けていくためにも、その時の判断は‘急がば回れ’だったのだと思います。自分の‘ニーズ’に叶う先生は、難しいことかもしれませんが、選ばなくてはならないのだと思います。その後、兄弟の多さや家庭事情もあり、物理的な練習時間(器楽は毎日3時間以上練習するのが当たり前とされていました。)が難しい事もあり、作曲科に転向し、大学では楽理学科という音楽理論を学ぶ学科に在籍しながら作曲も学ばせて頂きました。声楽学科の学生の伴奏活動を積極的に行っているうちに私自身も興味が沸き、学生時代から声楽を始め、大学院でようやく今の専攻である声楽にたどり着きます。もしかしたら両親が少しでも教育に興味を持ってくれたなら、こんなに色々な寄り道はしなかっただろうと思ったりもしますが、今ではそれが様々な場面で生かされている事も事実。 音楽を色々な角度からアプローチしながら学ぶ事ができ、様々な先生と出会い、教えを受ける事が出来た事はかけがえのない財産だと思います。大学院修了後すぐに長女を出産し、翌年次女を出産して、都内で演奏家ママさんをインターネットで募集してサークルを主宰しました。数年0歳から入場可の演奏会を企画運営したり、自分自身のスキルアップの為にレッスンに通い、その成果を披露したり、娘たちがお話できるようになったころからは一緒に童謡を歌ったりしながら過ごしていました。 次女が3歳になったころ、親子3人で中区民ミュージカル(現・横浜市民ミュージカル)に挑戦。かれこれ10年を数える幼少~80歳くらいまでの市民70名による横浜市の一大プロジェクト。ただ演奏会を観てもらうだけではなく、一緒に舞台に乗ってみよう!と思ったのですが、あまりにも衣装の準備やら自分の役を考えながら子ども達のケアまで考えるのはしんどかったので(苦笑)、翌年以降は私は歌唱指導・稽古ピアノに回り今に至ります。娘達はそこに集まる子ども達とたまに会う親戚のような感覚で楽しく成長しています。 昨年からは「子どもミュージカル」なる35名程度のイベントも立ち上がり好評を頂いています。その他のイベントの指導等も含め、地域のイベントの発展を見つめながら生きている感じです。2009年、先輩のお誘いから挑戦してみた「第24回全国童謡歌唱コンクール」。関東甲信越地区の決勝大会でファミリー部門で最優秀賞を頂く事が出来、以来Tsucchy‘s土屋ファミリーとして演奏活動しています。たまたま歌っていた鼻歌がきっかけで全国大会まで出させてもらえるとは思わず、改めて一緒に歌を歌ったりすることの楽しさを再確認させてもらいました。この事をきっかけに童謡を人前で歌わせて頂く事が増えました。 歌詞は古き良き日本の風景が映し出されていたり、昔の遊びや歴史背景が見えてきたり等、興味深いですが、「童謡の会」などに足を運ぶと、お年寄りがとても生き生きと大きな声で歌われている姿を拝見する事もしばしば。ひとたび小さな子が覚えれば、世代を大きく超えて歌えるという事にも気づかされ、改めて童謡の良さや存在価値を見出したように思いました。 演奏会などのトークでは、良い曲は残したいというメッセージと共に、財産ではないでしょうか?と伝えています。童謡の話は、また改めて触れさせてください。娘たちは、3歳4歳のころからヴァイオリンを習い、次女は小1でやめました。毎日練習する事が重圧だったようです。長女はヴァイオリニストを目指す受験生。音楽中学へ入学すべく日々精進する日々です。・・・自己紹介長くなりました。次回以降は、具体的に音楽と育児にちなんだアレコレを綴っていきたいと思います。 EduKidsボードメンバー:土屋友紀 プロフィール2児の母。年長よりピアノを始める。高校音楽科で作曲、大学で楽理を学び、大学院より声楽に転向し現在に至る。コーラスやミュージカル、ソロ歌唱指導や、ソプラノ歌手としての研鑽を積みながら活動中。2009年第24回全国童謡歌唱コンクール関東甲信越地区決勝大会最優秀賞受賞を機にTsucchy’s土屋ファミリーとして、家族で演奏活動を開始。昨年からは父含む親子4人で楽しく音楽を表現し、伝えてゆくことをモットーに活動している。これまでに横浜、福島、熊谷、東京、桑名、与論等、形態様々な演奏会に出演。メンバーは、母(ピアノ・ソプラノ、作編曲)、長女(小6、ヴァイオリン・うた)、次女(小5、うた・トーク等)、父(ギター)。2013年4月 レインボータウンFM 'シンクロプラス'「未来の演奏家たち」コーナーにゲスト出演。http://youtu.be/eib3XEmcUxo2013年7月31日神奈川新聞欄掲載。(「歌で強める地域の絆」 中区・土屋ファミリー)横浜市・中区地域福祉保健計画テーマソング「中なかいいネ!」ファミリー歌唱。CD一斉配布中。(参考:http://www.city.yokohama.lg.jp/naka/policy/iine-plan/info.htm<Facebookページ>https://www.facebook.com/Tsucchys