小川先生の声かけメソッド。今回は、特に受験生の皆さんへ向けて、連休などお休みの日との上手な付き合い方についてです。****************************************10月。2014年度も早折り返し地点です。2期制の小学校では、後期が始まったばかりですね。皆さん、リズムを崩さずに過ごせていますか?私たちのように日曜祝日も仕事だと、大型連休と飛び石連休で、それほど違いはありません。が、学習予定を考える上では、連休との付き合い方は熟慮が必要になります。脅すみたいで気が引けるのですが、連休後に成績が急落する子が、どの塾でも毎年必ず発生するのです。原因は「生活リズムの崩れ」です。お休みの日は気持ちが浮き立って夜更かしをしがちです。「布団に入っても、なかなか眠れない!」という声をよく聞きます。それ自体は仕方がないと思います。連休というと、何となく世間もウキウキした雰囲気に包まれます。子供の感受性は大人の何倍も鋭いのですから、肌が敏感に察知して、心がウキウキふわふわするのは、ごく普通の感覚です。少々寝る時間がずれるのは、許容範囲でしょう。ただし、起床時刻のずれを許容してはいけません。寝る時刻がどうであれ、朝の始まりは一定に保つ。これポイントです。朝の始まりが乱れると、一日の学習リズムそのものが乱れていきます。以前、別のところで、学習技術のお話をしました。『勉強しているのに上がらない』の解決法②そこでは「授業の受け方」についてポイントを挙げましたが、特に重要なのが、『授業を受ける前にしておくこと』・何の授業を受けるのか事前に確認する。・受け終わった時の自分がどう成長しているのかイメージする。・どんな授業展開になりそうか予想する。・授業に必要なものは何か考え、準備する。・授業で分かるように「なりたい」気持ちを持つ。「マインドセット」と言いますが、行動に入る前に、どうなりたいかを決める。これだけで結果が大きく変わります。今日の一日を充実させられるかどうかも、同じことです。朝起きた時に、すっきりとした気分で、「今日は~~~の一日にしよう」と思うこと。勉強で成果を挙げたいなら、・今日は昼までに宿題を解いて・間違い直しに集中して取り組んで、・全部解けると自信を持てるように・夕方までになるぞ・来週の組分けテストも大丈夫 と思えたら成功といった具合ですね。そこで先頭の話に戻るのですが、生活リズムが崩れると、この朝のマインドセットに真っ先に悪影響が出ます。ぼんやりと起きて、学校に行く時間に追われてばたばたとして家を飛び出す。朝起きられなくて、「失敗した」という気持ちがあるからむやみに不機嫌になって、親に八つ当たりして、逆に叱り飛ばされる。朝のリズムが作れないと、前向きなマインドセットができません。一日の行動の質も下がってしまいます。連休明けにあちこちのご家庭で見られる現象です。もちろん多くの受験生は、連休でも生活リズムを保つ努力をしています。一定の生活を続けます。そして連休明けからは、ますます学習を加速させていきます。受験生全体をみると、連休、とくにGWなどの大型連休後は学力の伸びる速度が上がっていきます。このタイミングで生活リズムを乱した一部のお子さんたちは、まず自分の乱れで学力が少し失速します。そして、周囲がぐっと伸びる分、相対的にも下がります。このW効果で、成績としては、「急落」という形になるのです。ですから、保護者の皆さんには、寝る時刻がどうであれ、朝の始まりは一定に保つ。という原則を、心がけていただきたいと思います。ついでですから、「朝型生活の作り方」もお話ししておきます。理屈はこれまでの話と同じです。「夜型から朝型に切り替えるには、とにかく朝起こせばいい」のです。「朝早く起きるために、まずは夜寝る時刻を早めていこう」と考える方が多いのですが、夜の延長線上に朝を考える発想は、あまり上手く行きません。いつもより早く布団に入っても、なかなか眠れないものです。結局眠りに就くのはいつもと変わらない時刻になり、「早く眠れなかったから、早く起きるのも無理」という理屈になってしまいます。朝型切り替え成功のポイントは、「何時に寝ようが朝は○時に起きなきゃいけない」と、お子さん自身が信じ込むこと。努力目標ではなく、ルールとして定めるということです。朝早く起きれば、その分だけ眠気の訪れも早くなります。一週間もすれば、望ましい就寝時刻が実現するでしょう。ルールとして定める。これが「朝型の作り方」です。では、何時に起きるのが、理想的なのでしょう?答えは、「人によって違います」「灘に合格したお隣のお兄ちゃんは、朝6時に起きていたんだって。だからあなたも6時に起きなさい!」これは大間違い。何時に起きれば良いのかは、次の要素で決めるものです。◆わが子に必要な睡眠は、最低何時間か。◆塾など固定された学習が、夜何時まで予定されているか。◆昼寝などの短時間睡眠が、どれぐらい確保できるか。8時間の睡眠が必要な子で、塾から帰ってくるのが22時。入浴他を済ませると23時。単純に考えると、この子の起床時刻は朝7時になります。学校から帰ってきた後に、20分の睡眠を確保。また勉強の合間にも、疲れてきたら5分間睡眠を挟む。こうした工夫で、夜睡眠1時間分の回復を実現できたなら、朝6時に起きても大丈夫になります。というように、その子にとっての「朝型」を、見つけ出すことが大切です。いかがでしょうか。お読みいただいて、何か新しい発見があったなら、嬉しいです。・出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/18663045/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602