小川先生の声かけメソッド。今回は「子どものやる気は体の問題」という、とても深いお話です。****************************************今回は、お父様お母様からよく聞くお悩みフレーズ「子供にやる気がない」についてお話したいと思います。「なかなか勉強を始めようとしないんです」「だらだらと時間ばかりかけて中身のない勉強になっているように思います」「『やらされている』という雰囲気で、イヤイヤやっている姿を見ると、 もう受験を止めたら?って思っちゃうんです」「言われたことだけやったら、もうそれでおしまい。 どうしてあともう一歩がんばろうと思わないんでしょうか。」「塾の先生に怒られたくないから宿題をやっているだけで、 自分のためにやっている感じじゃありません。 そんなんじゃダメですよね、先生?」などなど。ご相談の半分は「やる気」の問題、あとの半分は「点数の上げ方」、といっても過言ではありません。「点数の上げ方」は、適切な講師のもとで、学力の正しい分析と、教材の正しい選択、適切なカリキュラムの組み立て、本人の学習タイプに合わせた解法学習、計画的なテストリハーサル、などをきちんと実行できれば狙っていけます。勉強とはやりさえすれば結果が出るものだからです。しかし、「やる気」に関する悩みは、解決のさせ方をご存じない方がほとんどです。「頭ごなしにガミガミ言うのはやめよう」と、ぐっと我慢して、お子さんが動き始めるのを待って・・・「もう間に合わない!」となって、結局叱りつける。そして、「怒られてやる気がなくなった!」と言い返される。こんな悪循環が、あちこちで見受けられます。なぜこんなことになるかと言えば、多くの方が、「やる気は『体(=感情)』の問題だ」ということをご存じないからです。ご存じないために、つい、「理屈(=頭)」で言い聞かせようとしてしまいます。子供たちも頭では分かっているんです。やった方がいいやらなきゃならないと、理屈としては分かっているのです。でもどうにも体が動かない。それが、「やる気がない」状態です。これを解決するには、体の感覚をくみ取ってあげることが重要です。簡単に言うと、「実際に勉強してみたら、気分がよかった!」「がんばってみたら、テストでいい結果が出て、嬉しかった」「自分のリズムで勉強できて、 それをお母さんが楽しそうに見ていてくれていたら、 自分もなんだか楽しくなってきた」こういう体験を持たせてあげるのです。ところで、お子さんによっては、やる気のない状態が相当に悪化して、ほんとうに「どんよりとした」目をしている子がいます。こういった子に接すると、私は本当に可愛そうな気になります。「どんよりとした目」から読み取れることは、以前によほど嫌な体験をしたか、ひどく傷ついたことがあって、体に力が入らなくなっている、ということだからです。「勉強してみたら、気分が良かった!」とは正反対の体験を、強烈に味わってしまったのですね。この状態にある子は、本人も気づいていないことがほとんどですが、心に大きな傷が残っているものです。ですから、傷の手当てをしてあげなければなりません。過去の失敗で傷ついた自尊心を癒し、自分のことを大切だと思える気持ちを取り戻させてあげ、少しずつ成功する体験を重ね、「気分いい」と思える状態まで導いていくのです。お母さん、お父さんが、こういったお子さんの状態を理解し、お子さんの「体の声」に耳を澄まして、お子さんが「勉強して嬉しい」と感じられるように、うまく導いてあげるのです。ということは、ともすれば理屈だけでお子さんに接してしまいがちなお母さん、お父さんの感覚を、上手く調整していくことも必要になります。お子さんの「やる気」でお困りの方は、ぜひこの方法を参考になさってください。きっと打開策が見つかると思います。・出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/15949300/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602