小川先生の声かけメソッド。今回は「粘り強さの育て方」について、幼児期、低学年期に大切なことをアドバイスします。粘りの種って何だろう?****************************************さて前回、「伸びる子の資質」についてお話ししました。中でも「ねばり強さ」は性格の問題と片付けられがちで、本当だったらもっと力が発揮できるのに、「続かない子」「すぐあきらめる子」になってしまうことも多いようです。しかし、ねばり強さも、他の力と同様に、幼児期から低学年の間に育むことができる力の1つなのです。お父さん、お母さん、そして先生たちのちょっとした心掛けでお子さんは、ねばり強さを身につけていきます。ポイントは、小さな我慢と小さな成功を、繰り返し体験させてあげること。我慢=苦痛ではなく、我慢=この後に良いことが起きる期待だと体に覚えさせることです。たとえば、将棋の駒落とし。音が鳴らないように注意しながら積み上げた駒の山から一枚ずつ取っていくゲームです。雑に取れば、すぐに「カチッ」と音が鳴ってしまう。もどかしくていらいらっとしてしまう瞬間もあるのですが、そういう時に、「深呼吸してごらん」と声をかける。子供は、息を整えると、また集中できることを学びます。そして、そぉ~~っと、細心の注意を払いながら、駒をそろりそろりと引き上げる。上手く取れた時の、ホッとしたような、妙に誇らしいような達成感が胸に広がります。この瞬間、この子は、「粘りの種」を1つ自分の体に植えたのです。またたとえば、計算ドリル100題。最初は快調に解いていても、60題を超えたあたりで、だんだんしんどくなってきます。時間も10分を超えると、息切れもしてくるでしょう。そうした時に、親の役割は、心から応援すること。これに尽きます。「大丈夫、必ずできるよ。自信を持って」「まず、あと5問続けてみよう」「ほらもう70問もやり遂げたよ!」「あと20問、のんびりやっても大丈夫だ」「ラストスパート10問、かっこいいところ見せよう!」どんな言葉でも構いません。背中をなでて上げるのも良いでしょう。ただ横に座って、にこにこしているだけでもいいですね。「君はやり遂げられる子だ」親が信じて見守れば、そのエネルギーは子供に伝わります。やり遂げられるものです。そうして100題までたどり着いたら、「やったね!!!」「凄い!100題できたじゃないの!!」「かっこいい!」がんばって達成したわが子を誇らしく思っている自分の気持ちを、素直にお子さんに伝えましょう。ここでも、言葉は何でも構いません。嬉しい。その気持ちを伝えることです。途中でしんどい思いをしても、その先に訪れた弾けるようなママの笑顔と、自分の手で書きあげた100題の答えを、お子さんは体で記憶します。「がんばったらできるんだ」という記憶です。「やり遂げたら嬉しいんだ」という記憶です。これが「粘りの種」なのです。この種は、また小さな我慢と達成を体験すれば、芽を吹き、根を張っていきます。繰り返しの成功体験によって、粘りの木は、子どもの心の中に育っていきます。1つだけ注意してください。子供が何かをやり遂げようとしている時は、決して時間を気にしないように!次の予定があったとしても、お子さんにとって大切なチャレンジであれば、今を優先してください。「早く早く!」「もう間に合わないよ!」「もういいから!そこでやめなさい」「ほらぐずぐずしているから、出来なかったでしょう!」こうやって関わるたびに、お子さんの「粘りの木」はしぼんでいきます。時間内に終わらせるかどうかは、やり遂げられるようになった、その次の段階です。まずは、やり遂げた喜びを、我慢をした後には、その分だけ大きく膨らんだ達成感を、お子さんに渡していきましょう。お子さんは、必ず伸びます。・出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/18936060/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602