パリ郊外で仏人のパパ、日仏ハーフの息子・アルチュールくんと3人で暮らす順子さん。アルくんの舞台出演を通じて、日本とフランスの子育て、教育に対する価値観の違いなど、様々な思いを綴っていただきます。舞台出演が決まり、細々とした準備…。フランスの長い夏休みの間、アルくんはママンの国・日本で小学校生活を体験します。バカンス前の一仕事「フランスの小学校は7月1週目までだけど、僕は日本のおばあちゃんの家に泊って、横浜の小学校二年生に一ヶ月行くから、6月20日でもう終わりなんだ。」一年に一度の日本への帰国。長い休みをとり息子はすっかり日本へ行く準備をしています。私はこの長い休みの前の自分の仕事の整理や演劇出演用の様々な用紙を用意しないとなりませんでした。両親二人のサイン入りの出演許可書。校長先生にランデブーをとり、直々にご説明にあがり直筆で演劇出演の許可書をもらうこと。息子のホームドクターに健康上問題ないか、メディカルチェックをしてもらい、許可書をもらうこと。その他、身分証明書や写真、なんとか休み前に全部用意ができました。夏の間は「フランスに戻ったらテアトルに出演するんだよね?」「誰か他の人いないのー??」「僕出たくなーい。」「台詞なくてもやりたくなーい」本人はまったくモチベーション不足で興味がなさそうな、夏の日々でしたが、親の私は日本で読めそうなメーテルリンクの本や詩集を図書館で借りて読み、どんな世界なんだろうと舞台に思いを馳せていました。筆者プロフィール:エルンスト順子フランス在住9年目。欧州ビジネスコーディネータ。企業の営業推進部、国際輸出入業務を経て、現在、欧州市場進出、企業の市場開拓ビジネスに携わる。最近の大きな関心事は、「10年後に子供にどのようになっていて欲しいのか」日本語の勉強方法、モチベーション維持、楽しく学習する環境など、同じ境遇の日仏家族と語り合う。思春期までもうちょっと。今は子供との貴重な時間を優先している。