小川先生の大好評連載、「国語の学習で絶対に欠かせないこと」シリーズ第6回。大人にとっても日々気をつけなければならないポイント満載です。****************************************「国語の学習で絶対に欠かせないこと」の続きに入っていきましょう。(参照:論説文の攻略③)5つのポイントの2番目は、「対象事実」と「筆者の主観」を区別するです。筆者は、自分の考えを人に伝えたいと思っています。その「考え」はどこから生まれたかというと、何らかの出来事、事柄(「対象事実」といいます)を見て、筆者自身のもともとの考え方(「価値観」といいます)や、生まれ育った社会環境での常識と照らし合わせて、「こうあるべきだ」という意見を持ったり、「他の人の考えも聞いてみたい」という感情を持ったりするわけです。ここで生まれた意見や感情は、筆者独自のものです。筆者とは異なる価値観や環境の人は、同じ出来事、事柄に触れても、また別の意見や感情を持つかもしれません。こういった、人によって異なる心の動きを「主観」と言います。「論説文が良く分かった」と思える時とは、筆者が文章中で何を述べているかが、目で見て分かるだけではありません。筆者自身の価値観や社会環境が、どういったものなのかということまで、くっきりとつかめた時です。そういった時に、「筆者は何が言いたいのか」が伝わってくるのですね。このように、筆者自身の価値観や社会環境まで読み取っていくには、筆者が(1)「何を見て」(対象事実) ↓(2)「どう考えたのか」(主観)(3)その心の動きを生み出した、 筆者自身のあり方はなんだろう? (価値観・社会環境)という順番で読み取り、考えていくことが必要です。しかし、「対象事実」と「筆者の主観」とを区別なくだらだらっと読んでしまうと、「ああ、そうなんだ」で終わってしまいます。「読んだけれど、だから?って感じ」という感想を持つ人が時々いますね。そういう人は、事実と主観の区別が出来ていないのです。だから、筆者の「存在」がつかみきれない。すると、「分かった!」という感覚、「なるほどそうか!」という楽しさが味わえないのですね。ポイントの2.「対象事実」と「筆者の主観」を区別するを覚えておいてください。論説文の見え方がずいぶん変わってくることと思います。次回はポイント3をお話しましょう。・出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/18566231/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602