音楽教育に関心あるママ・パパに、様々なケーススタディを提供する子育てエッセイ。今回は、実際に演奏会に行ってみよう!ビギナーでも子連れでも、生の演奏に触れることは大切な経験となります。【演奏会へ行ってみよう!】今年もどうぞよろしくお願い致します。このエッセイも10回目となりました。お付き合いくださりありがとうございます。秋から冬にかけて、演奏家の皆さんは忙しい時期を過ごしています。色々なコンサートの案内なども目にすることが多い時期とも言えるのではないでしょうか? コンサートに足を運んだことのない方々から、たまたまチケットを頂いたのだけれど、どのような恰好で行ったらいいのかしら?等と質問を受ける事も時々あり、敷居の高さを感じておられる人も多いのかもしれないと思いますので今回は演奏会に行ってみようというテーマで主にクラシックのコンサートについてお話ししたいと思います。 上記のように不意に頂いたチケットで足を運ぶチャンスが巡ってきたり、お子さんとコンサートに行ってみたいんだけど…と漠然と生演奏に興味関心をお持ちになり、何が良いのかを悩まれたり、テレビなどで興味をお持ちになり、いざチケットをと言う時に、何の席種を買ったらいいのかしら?等々、初めての方にとっては色々質問事項があると思います。先ずはとにもかくにも経験からだと思います。ぜひ興味の持てそうな演目を1つ見つけ、挑戦する気持ちで体験してみて下さい。 まず、情報の得方なのですが、コンサートホールのロビーなどにはチラシがあり、手に取って頂いて興味をお持ちいただくのも良いですし、ラジオなどではゲストの方が出演してコンサート紹介をしている事もあります。もちろんインターネットでも手軽に情報を得る事が出来ます。以下おススメのサイトを2つあげておきます。タウン誌や、新聞の中ほど、行政からの区報などにコンサート紹介と時にはチケットプレゼントなども行っている事がありますので、チェックしてみるのも良いかもしれません。◆コンサート情報(音楽之友社) http://www.ongakunotomo.co.jp/concert/◆Webぶらあぼ http://ebravo.jp/コンサート情報サイトからは、実にたくさんのコンサートの存在を目の当たりにされると思います。各楽器によるリサイタル(ソロコンサート)、オーケストラ、コーラス、ブラスバンド、オペラやオペレッタetc…テーマやコンセプトも様々です。上記のサイトにはトピックがあり、その時々でおススメやピックアップアーティストを紹介してくれるので、そのようなところから興味をお持ちになるのも良いかと思いますし、単純に曲名から検索してみるのも良いかもしれません。 小さいお子さんがいらっしゃるご家庭は気になるであろう入場に関してですが、未就学児は入場を遠慮して下さいという現状は否めません。ただ、基本的なマナーが備わっているお子さんに関してはこの限りではありませんし、周囲を気にせずに楽しみたい場合に、0歳から入場可のコンサートや、ベビーカーで入場可のイベントなどもかなりありますので、ぜひお調べになってみて下さい。 さて、どのようなコンサートに行ってみたいかが決まったら、是非会場を調べてみて下さい。数十名収容の小さなホールから、200~400人程度の中ホール、2000人超規模の大ホール、ホテルのロビー、屋外などのイベント会場など様々です。身近でソロの生演奏を聞きたい場合は小~中規模のホールを、アンサンブルやオーケストラと言った賑やかな演目や内容のコンサートはお客さんがたくさん入るような大ホールを選んでみても楽しいでしょう。ホールによって作りが様々で残響時間なども違うので、その点にポイントを置いて選ぶのも実は楽しいです。(ホールの事については、また改めてお話しできたらと思います。)座席の種類が様々に出されている演目に関しては、ホールの座席図がホームページなどに掲載されていますので、一旦調べて、希望に叶う所を選択されたら良いと思います。高いチケットを奮発して購入し、良い席で聴かれる事も素敵な事ですが、回数行かせてあげたい場合などはなるべく廉価の物を・・・と選びたくなります。ただ、あまり劣悪な席を選んでしまうと、もっと良い席にしたら良かった等と演奏を聴く事に集中出来なくなってしまいますので確認のうえ購入されることをお勧めします。 開場時間は、その会場に入場が可能になる時間、開演時間はコンサートが始まる時間です。指定席ではない場合は当日空いているお好みの座席に自由に着席する事が出来ます。会場内は、映画館と違って開演中の飲食は基本的にNGですのでご注意ください。また、ナイロン袋などを持ち込んだ場合に、ガサガサ音が鳴らないよう座席の下にしまう事もお勧めします。チケットを入り口で渡し、半券をもぎってもらうと当日のプログラムが渡されます。開演までの時間は、そのプログラムに目を通したり、挟んであるチラシに目を通してみたり、お手洗い等を済ませて下さい。クロークなどに荷物を預けたり、ドリンクスタンドがある会場などでは、飲み物を飲みながら過ごされても良いでしょう。 数分前(たいてい5分前)になると、もうそろそろですよと知らせてくれるベルが鳴ります。そのタイミングで着席を完了し、開演の時を待って下さい。携帯電話の電源を落とすかマナーモードに設定する事も忘れずに。拍手のタイミングは、1曲ごとで良いのですが、楽章間の拍手は不要と覚えておけば大丈夫です。ブラボー!と発声する方もありますが、心から演奏者に対して出るものでない以上、私は不用意に発しない方が良いと考えます。 また、開演時間は、特に記載が無い限り、間に1回休憩をはさんだ約2時間程度が一般的です。オペラなどは3時間以上かかったり、リサイタルなどは1時間半で終演になる場合もあります。また、ランチタイムコンサートなど、お昼時に開催されるコンサートも昨今様々ありますが、そのようなコンサートは40~50分程度が一般的で、入場無料やワンコインで聴く事が出来るなど、比較的お手軽な事がほとんどです。次に予定を立てたい場合には問い合わせをされて終演予定時刻を伺っておくと良いでしょう。 服装に関してですが、最近はジーパンはダメとか、そういう事もほとんど聞かなくなりました。ただ、演目に合わせて気にされる意識はあった方が良いと思います。お子さんを連れての場合は、教育的な配慮として、演奏者に敬意を表す意味で身なりを整えて行き、聴くという体験をさせる事も大事な事ではないかと考えます。 一般的なクラシックのコンサートは、司会や曲間にトークはありませんので、注意して下さい。事前に曲の事を知っていたり、分かっているとより深く楽しむことが出来ますし、もし知らなくてもその時にどんな曲に出会えるのだろうとワクワクしながら聴いてもらって、その後に調べてもらったりするのも楽しいと思います。演奏家の表現は、その場その時に居合わせた人にしか耳にする事ができない儚い体験である事を忘れずに聴いてもらえたら、生演奏の良さをより一層味わってもらえるのではないかと思います。 ・・・さて、ザックリと話してまいりました。いかがでしたでしょうか?慣れてしまえば何てことないのですが、初めての方は色々緊張されると思います。是非リラックスして沢山のコンサート体験をお子さんと共に重ねてもらいたいと思います。そして、お家に戻られた後、家族のコミュニケーション等に生かしてもらえたらと思います。EduKidsボードメンバー:土屋友紀 プロフィール2児の母。年長よりピアノを始める。高校音楽科で作曲、大学で楽理を学び、大学院より声楽に転向し現在に至る。コーラスやミュージカル、ソロ歌唱指導や、ソプラノ歌手としての研鑽を積みながら活動中。2009年第24回全国童謡歌唱コンクール関東甲信越地区決勝大会最優秀賞受賞を機にTsucchy’s土屋ファミリーとして、家族で演奏活動を開始。昨年からは父含む親子4人で楽しく音楽を表現し、伝えてゆくことをモットーに活動している。これまでに横浜、福島、熊谷、東京、桑名、与論等、形態様々な演奏会に出演。メンバーは、母(ピアノ・ソプラノ、作編曲)、長女(小6、ヴァイオリン・うた)、次女(小5、うた・トーク等)、父(ギター)。2013年4月 レインボータウンFM 'シンクロプラス'「未来の演奏家たち」コーナーにゲスト出演。http://youtu.be/eib3XEmcUxo2013年7月31日神奈川新聞欄掲載。(「歌で強める地域の絆」 中区・土屋ファミリー)横浜市・中区地域福祉保健計画テーマソング「中なかいいネ!」ファミリー歌唱。CD一斉配布中。(参考:http://www.city.yokohama....y/iine-plan/info.htm<Facebookページ>https://www.facebook.com/Tsucchys