音楽教育に関心あるママ・パパに、様々なケーススタディを提供する子育てエッセイ。今回は子どもの習い事の定番中の定番、ピアノを習うということの意義について、専門家の意見をご紹介しながら考察してみます。【入り口は様々~ピアノを習わせる意義】 前回は、演奏会に行ってみようという内容でお送りしました。追記になりますが、FMラジオやTV、インターネットラジオ等でも、気軽にクラシックを聴く事もできますので利用価値大です。ナビゲータやMCによる曲の紹介等も付いていて、予備知識が無くても興味深く聴く事が出来ると思います。演奏会の演目を選ぶ時と同様、CD屋さんに行ってお子さんに聴かせたいけれども何がいいのか困ってしまう・・・という人もいらっしゃると思いますので、日常的に音楽に触れると言う意味で活用してもらえたらと思います。 さて今回のテーマですが、ザックリな感じです。お稽古ごとを始める時には10人10色のきっかけがあると思います。音楽はどういったケースが多いのでしょうか。また、面白い記事を見つけましたので、そのリンクを引用してお知らせしたいと思います。 具体的に確かな統計があるわけでは無いので、中々把握しにくいですが、幼少期ですと「○○ちゃんがならっているから」「幼稚園に入ったから」「先生と知り合いだから」「楽しそうだから」といった意見が多数に思います。お母様目線の意見では、「ピアノが弾けると良い」という漠然としたご意見や「発表会にお祖父ちゃんお祖母ちゃんを呼ぶことが出来て喜ばれる」というコミュニケーションの一環で習わせたいという人もおられるかと思います。また、「近くに音楽教室があるから」という事も、きっかけの要素に入ると思います。 娘が音楽コースのある中学を受験する事がきっかけで色々な人との交流があり、子ども達を将来音楽の道にと思っている人たちのきっかけも伺う事が出来ました。両親が音楽の世界に関わっている人ももちろんいますが、そうでない人も多いです。たとえば、お隣がたまたまピアノ先生で預けたら、才能を見出してもらい、受験すべきと勧められたり、(たまたま)受けたコンクールで入賞した事をきっかけにその道で頑張らせてみようと思われたり、ご両親含め音楽愛好家でファミリーで音楽を愉しまれていて、これから本格的に学んでほしいという思いがあるなど、本当に様々です。家庭に音楽がある生活に関しては共通していますが、アプローチの仕方も様々です。 なので、とにかく先ずご家庭で無理のない範囲で(先生や教室選び、レッスン時間、月謝額など・・・)始めさせることが第1なのだと感じます。そして、節々で状況を見きわめつつ、慌てずに選択してゆく事が良いのではないかと思います。たとえば、とても熱心に先生の相性も良ければそのままで良いと思いますし、飛躍的に才能を発揮されたら、先生から紹介されるという事もあるでしょう。巧くコミュニケーションが取れないのなら、先生を変える決断も1年~1年半を過ぎれば悪くないと思いますし、そもそも音楽は好きなのに、習い始めた楽器が苦手だったという事があれば、別な楽器に変える勇気も必要かもしれません。常に家族間でコミュニケーションを取っていれば、簡単に答えは導き出せると思います。 さて、興味深い記事を見つけました。もし何となくピアノを習わせたい、習わせているという方がありましたら是非ご一読下さい。なぜピアノを習うの?という部分で、脳科学者の先生からのお話をインタビュー形式で掲載してあります。これもピアノを習わせる1つの‘入り口’になるかもしれませんね・・・「~習い事の王道 なぜピアノを習うの?~」 脳科学者 澤口俊之先生にインタビューピアノは脳機能をまんべんなく育て“地頭”をよくする「現在、学術的に証明されている限りにおいて、ピアノほど脳にいい習い事はありません」と、きっぱり言いきる澤口先生。その理由についてさらにお聞きすると、「まず、ピアノを習えばピアノに必要なスキルが身につくのは言うまでもないですね。しかし、ピアノが他の習い事と違うのは、それだけに留まらない万能性があるからなんです」スキルのほかに、いったいどんな効果があるのでしょうか?「人というのは、夢をもち、その夢をかなえるべく努力して成功し、幸せな人生を送りたい(あくまでも主観的な成功)…だれもがそう願うものですね。そして、そういう人生を送るためには、IQ(一般的知能)よりもHQ(人間性知能)という知能が重要と証明されているのですが、さまざまな習い事や余暇の過ごし方の中でも、すべての実験においてダントツにHQが向上するという結果を出しているのがピアノの稽古なんです」いきなりHQという耳慣れない言葉が出てきましたが、HQとは?「簡単に言えば、“人間らしい人生を送るための脳力”のことで、夢や目的に向かって適切に行動する能力“未来志向的行動力”と、理性・思いやり・協調性を身に付けてうまく生きる能力“社会関係力”です。つまり、HQの向上は、夢の実現や社会的成功、良好な恋愛や結婚生活、さらには運動能力や器用さ、言語能力、IQの向上にまでも繋がるんです」ピアノを習うだけで、こんなにいいことがあるとはまさに驚きですが…。「そうです。スキルを身に付けることができる習い事はいっぱいありますが、能力(アビリティ)まで得られる習い事は珍しく、ほとんどないんです」では、ピアノの何がHQ向上効果をもたらすのでしょうか?「ピアノというのは、両手を並列かつ複雑に使い、楽譜を一時的にも記憶しながら演奏し、さらに次に弾く楽譜を先読みします。そして特に重要なのは両手を同じように使いますが、その使い方がまったく異なるという点です。これは他のものにはない非常に高度な行為なんですね。つまり、ピアノをやっていると、自然にすべての脳機能を高めてしまうというわけです」ピアノは脳の構造まで変える!?さらにHQの向上だけにとどまらず、ピアノは脳の構造まで劇的に変えてしまうという効果も証明されているそう。「ピアノのレッスンを続けることによって、脳の監督役でもある前頭前野が構造的に発達し、HQの長期的な発達につながります。また、脳梁(のうりょう)と呼ばれる部分が太くなり、左右の脳のバランスがよくなるんです。まだまだあります。小脳も大きくなり、運動機能や知的機能、感情的機能までもアップします。さらに、海馬とよばれる部分が発達し、記憶力がアップするので、学力向上につながります。つまり、ピアノを習うことによって、脳機能をまんべんなく育て“地頭”をよくすることができ、スポーツや学力まで効果を及ぼすんです」では、ピアノをいつ習わせれば効果的なのでしょうか?「HQを高めるためには、5歳~8歳ころがより効果的です。週に1回40分のレッスンでいいんです。ピアノに関しては、4ヶ月くらいで効果があらわれ、脳構造を変えるまでには2年くらい必要です。あとは、“やればやるほど”という継続期間との相関になります。ちなみに、大人になっても、子どものころほどではありませんが大人なりの効果はのぞめますよ!」そろばんとサッカーもHQを向上させる効果ありそこで一番知りたいのは、ピアノのほかにもHQを高める習い事はあるのかということ。「ピアノほどの効果がみられるものはありませんが、現時点で効果が証明されているのは“そろばん”です。それから、最近ではサッカーにも効果があるという研究結果が出てきています。今、私が脳にいい効果をもたらす習い事としてすすめるとしたら、ピアノ、そろばん、サッカーの3つですね。ただ、あくまでも現時点なので、研究が進むにつれてもっと効果的なものが出てくる可能性はあります」では、習い事をするとき嫌々やった場合は、脳への効果はあるのか気になるところ…。「これは、やはり楽しんでやるほうがより効果的ですね(笑)。つまり、ドーパミンが出た状態でないと基本的には効果は望めないのですが、子どもはもともとドーパミンの数値が高いので、訓練と思って取り組んだり、嫌々でも取り組んだほうがよりいいと思います」今もなお、ピアノが習い事の王道に君臨することには、やはりそれだけの理由がちゃんとあったと言えるのかもしれませんね。 (http://mama.bibeaute.com/article/10659/より引用。)**************EduKidsボードメンバー:土屋友紀 プロフィール2児の母。年長よりピアノを始める。高校音楽科で作曲、大学で楽理を学び、大学院より声楽に転向し現在に至る。コーラスやミュージカル、ソロ歌唱指導や、ソプラノ歌手としての研鑽を積みながら活動中。2009年第24回全国童謡歌唱コンクール関東甲信越地区決勝大会最優秀賞受賞を機にTsucchy’s土屋ファミリーとして、家族で演奏活動を開始。昨年からは父含む親子4人で楽しく音楽を表現し、伝えてゆくことをモットーに活動している。これまでに横浜、福島、熊谷、東京、桑名、与論等、形態様々な演奏会に出演。メンバーは、母(ピアノ・ソプラノ、作編曲)、長女(小6、ヴァイオリン・うた)、次女(小5、うた・トーク等)、父(ギター)。2013年4月 レインボータウンFM 'シンクロプラス'「未来の演奏家たち」コーナーにゲスト出演。http://youtu.be/eib3XEmcUxo2013年7月31日神奈川新聞欄掲載。(「歌で強める地域の絆」 中区・土屋ファミリー)横浜市・中区地域福祉保健計画テーマソング「中なかいいネ!」ファミリー歌唱。CD一斉配布中。(参考:http://www.city.yokohama....y/iine-plan/info.htm<Facebookページ>https://www.facebook.com/Tsucchys