パリ郊外で仏人のパパ、日仏ハーフの息子・アルチュールくんと3人で暮らす順子さん。アルくんの舞台出演を通じて、日本とフランスの子育て、教育に対する価値観の違いなど、様々な思いを綴っていただきます。さぁ、本番当日。幕があがるその瞬間まで、アルくんよりママのほうがドキドキ?!張りつめた空気が伝わります。*****************************初めての舞台*****************************9月13日土曜日。いつもの土曜は日本語補修校に通い、日本の子供達と同じ教科書でお勉強。16時30分に終わり、いつもなら友達と遊ぶ所、今日はこのままランドセルを持ってパリ15区の日本文化会館へ向かいます。演劇開始は20時から。19時には楽屋入りをし、一番大事な物語の幕開けの母と子のシーンを練習します。この10分の練習時は、二人のコミュニケーションの時間でもあります。練習の後には一緒に走ったり、笑ったり、8歳の子供の心を掴む、女優さんのプロの姿が見られました。一度楽屋に戻り、もうドキドキの私。トイレは大丈夫?どこかかゆくても我慢できるね?動いちゃいけないよ。私のこんな余計な言葉をよそに「大丈夫だよ。できるよ。。」と、いいながら、息子は舞台裏に、私は客席に離ればなれになりました。さあ20時、いよいよ演劇がスタートです。筆者プロフィール:エルンスト順子フランス在住9年目。欧州ビジネスコーディネータ。企業の営業推進部、国際輸出入業務を経て、現在、欧州市場進出、企業の市場開拓ビジネスに携わる。最近の大きな関心事は、「10年後に子供にどのようになっていて欲しいのか」日本語の勉強方法、モチベーション維持、楽しく学習する環境など、同じ境遇の日仏家族と語り合う。思春期までもうちょっと。今は子供との貴重な時間を優先している。