小川先生の大好評連載、「国語の学習で絶対に欠かせないこと」シリーズ第9回。文型から理解すると対比の法則が見えてきます。************************************前回、対比と上手く付き合うには、対となる言葉の知識が必要だとお話ししました。もう一つ覚えておきたいものがあります。それは「対比の文型」です。言葉や文の組み立て方がこの形になっていたら、対比の可能性を考える。そうした文型を知っておけば、対になる言葉かどうかは分からなくても、対比として読み進めることができます。まず覚えておきたいのは、「は」『Aは~~~~だ。』とあれば、『(Aではない)Bは~~~~~ではない』という裏の意味が隠されています。たとえば、『未来はつねに未決定です。』(平成21年開成中)ここには、『過去は決定済みです。』という意味を読み取ることができます。男性は成長するにつれ、女性に対しての言葉遣いに気を配るものです。うっかりと、『今日は綺麗だね』なんて言った日には大変なことになりますね。『今日はって、じゃあいつもはどうなのよ!』と返ってくる確率は、お互いの距離感にもよりますが、まぁ50%を下らないと見ておく方が無難です(笑)せめて、『今日は一段と綺麗だね』としておきたいところです。「一段と」を入れることで、『いつもも綺麗だけれど、今日はさらに~』と裏の意味が大きく変わるからです。先々の人間関係にも関わることですから、「は」には十分注意しましょう!他に意識したい文型として、「~~に対し・・・・」「~~一方・・・・」があります。どちらも二つのことがらを比べる形です。難しい言葉が続いて文章の内容がつかみにくい時、文の中、段落の先頭に「対し」「一方」があれば、マークするといいですね。二つの内容が比べられている。と分かれば、読み取りのヒントが増えます。先に一部引用した平成21年度の開成中では、『…未来の社会のありかたに決定的な影響を及ぼすかもしれない、その可能性について…自分が起点になって歴史は誰も予測できなかったような劇的な転換を遂げるかもしれない。』という一節があります。具体的にはイメージしにくい部分なのですが、この続きの段落にヒントが出てきます。『…「私ひとりががんばって善いことをしても、何が変わるわけでもない」とか「私ひとりがこっそり悪いことをしても、何が変わるわけでもない」というふうに自分の歴史への参与を低く見積もって…人に比べて…』「比べて」ですね。ここから、『未来の社会のありかたに決定的な影響を及ぼす』の具体的な例が考えられます。比べられている内容を「反対に」すればいいのです。『私ひとりががんばって善いことをするだけで、社会の何かが変わる』となります。あと、これは「文型」ではないのですが、内容上対比を意識すべきものを2つ覚えておきましょう。1.時間に関すること論説文は物事の論理を考えますから、「原因」と「結果」の「因果関係」が常に関わってきます。因果関係とは、「時間の流れをつかむ」ということです。ですから、「過去」「現在」「未来」この関係を意識することが大切です。『昔、人類は~~』とあれば、『現代になって、人類は~~~~ではなくなり』という内容が必ず来ます。さらに、『未来の人類は・・・・・なるだろう』と考えが進んでいきます。2.筆者と世間論説文の筆者は、自分の考えの独自性をアピールしたがります。その方法として最もよく使われるのは、世間一般の考え方を紹介して、「自分は違うぞ」と続けていく方法です。『世間では~~~~と言われる』とあれば、『私はそうは思わない。・・・・・だ。』と言いたいのです。「世間」「世の中」が来たら、反対の側に「筆者」がいる。これも覚えておきたいですね。いかがでしょうか?「対比」について少し身近に感じられるようになりましたか?次回は「具体例」を扱いましょう。一つ宿題です。「具体例とは何ですか?」この答えを考えておいてください。・出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/18612303/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602