小川先生の大好評連載、「国語の学習で絶対に欠かせないこと」シリーズ第10回。具体的とはどういうことなのか、図解入りで詳しく解説していきます。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「国語学習で絶対に欠かせないこと」の続きをお話ししたいと思います。前回は論説文について、対比のお話をしましたね。さて、今回は「具体例の使われ方を理解する」です。前回最後に問題を出しましね。まず「具体例」とは何でしょうか?授業で、子どもたちに「具体例って知ってる?」と聞くと、全員が、当たり前でしょ! という顔をします。でも、「では、具体例って何?」と聞くと、これがとたんに怪しくなるのですね。「だから、具体的な例でしょ。」とか。説明になっていませんよね(笑)そこで私はさらに問いかけます。「ではまず具体的というのは、どういうことなのかな?」これ、実はかなり意地悪な質問なんですけどね。でも子供たちは一生懸命考えて、なんとか自分なりに答えようとしてくれます。「分かりやすいこと」「身近な話」「まとめられていない、そのままのこと」「形がある感じ」などなどどれも正解です。「具体的」の反対は「抽象的」ですが、その違いを整理するとこんな感じです。具体的:形がある、はっきり、せまい、こまかい、1つ1つ抽象的:形がない、ぼんやり、ひろい、おおまか、全体的私は良く、「その言葉を聞いた時に、頭の中にくっきりと絵が浮かぶもの」と説明しています。ただ注意が必要なのは、具体的かどうかは、その言葉1つだけで決まるのではなくて、周りの言葉との関係で決まってくる、という点です。【問題】 どっちが具体的ですか?① A.「小学6年生の子」 B.「隣の席の由美子ちゃん」 →B.の由美子ちゃんですね。② A.「子供たち」 B.「小学6年生の子」 →A.の子供たちには小さな子もいれば、体の大きな子もいます。 絵がしぼりきれませんね。 B.の小学6年生の子は、顔ははっきりと見えてきませんが、 体の大きさやできることなど、おおよその見当はつきます。 ですから、B.「小学6年生の子」の方が具体的です。③ A.「社会的に弱い立場に置かれがちな者たち」 B.「子供たち」 →A.の弱者には、子供たちはもちろん、老人、女性、など さまざまな人が含まれています。 この関係では、B.「子供たち」の方が具体的です。このように、「具体的かどうかは言葉同士の関係で決まる」ということを、まずは理解することがポイントです。そして、いくつかの言葉がある時に、「お互いの関係はどうなっているのだろう?」と考えるようになると、論説文攻略にまた一歩近づきます。トカゲ カブトムシ 動物 イグアナバッタ 昆虫 爬虫類 ヘビ という言葉が並んでいる時に、頭の中でぱっと→冒頭図式をご覧ください。 といった整理ができるようになると、理想的ですね。具体的とは何かが分かっている状態ですし、実はこれが「まとめる力」の第一歩でもあるのです。いかがでしょうか?「具体的」について感じはつかめましたか?次は「具体例」の「例」を考えてみましょう。・出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/18775502/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602