子どもの習い事に対する考え方、各家庭それぞれだと思いますが、改めてその意義を見つめ直してみましょう。音楽教育に関心あるママ・パパに、様々なケーススタディを提供する子育てエッセイ。前回のヴァイオリンの選び方に続いて、今回はリコーダー。選ぶくらい種類があるのかどうかすら分らないという方が多いのでは?【楽器選びについてその③リコーダー編】前回は、ヴァイオリンについてお話しさせて頂きました。楽器の話は、深く話すといくらでも引き出しが開いてしまい時間が経ってしまう、話題は尽きない楽しさがあります。取り組まれることによって、色々な事を知る機会になって楽しみも増えるのではないでしょうか。 楽しみも良いのですが、忘れてはならないのは維持管理にかかる費用の事。これは、どんな楽器にも言えますが、電子機器でない限り、電気は使いませんので電気代はかからないのですが、ピアノは半年~1年に1回程度の調律代(アップライト:~1万円、グランドピアノ:15000円前後)、数年~数十年にハンマーのフェルトを張り替えたり、アクション周りを調整する事があるかもしれないのでその費用がかかります。ヴァイオリンの場合は、弓に使用する松脂、数か月に1度の弓の張替(1回あたり5000円程度)、使用するほど劣化してゆく楽器の弦(銘柄様々。4弦すべて張り替えると、1万円以上します。)、調整費用(無料である場合が多いですが、楽器の具合によっては有料になります。)が最低でもかかります。ケースも、普段持ち歩く事を考えると変える頻度は低いですが消耗品と言えると思います。ヴィオラやチェロ、コントラバスの弦はもっと高くなりますし、もし運びのケースなどを含めますと、楽器自体はヴァイオリンの方がピンキリのてっぺんは高額かもしれませんが、維持費用はほかの楽器の方がかかるかもしれません。 諸々考えると、電子ピアノは一番維持を考えた時にはお手軽かつ費用もあまりかからないかもしれませんね。手軽に楽器を始めたいという人は、是非参考になさってください。さて。今回はリコーダーの話を少ししてみたいと思います。娘が4年生に上がった頃、本人の意思で音楽教室のリコーダーアンサンブルを習い始めました。西洋音楽史の理解は無いながらも、ザックリとルネサンスやバロック期の音楽が好きという‘好み’が生まれてくれた頃です。ちょうど3年生辺りから小学校でもリコーダーに触れはじめるので、興味が膨らんだのだと思います。 そして、初めてまだ間もない頃に、先生の持っているリコーダーの音が良いんだよと報告してくれる事が多くなりました。それ自体は良い事なのですが、私も先生と同じ木のリコーダーが欲しいと言うようになりました(苦笑)。小学校で購入するソプラノリコーダーは、実は樹脂で出来ています。3000円からお釣りが来るので、リコーダー=廉価の楽器と言う認識がどこかにあったのか、娘に誕生日に買ってあげようか?と言ってあげたらさぁ大変!!翌週先生に娘が喜んで報告すると、買って来て下さるというお話をお電話を頂き、どんなものを買って来ていただけるかの相談を受けたのですが、な、なんと!!最安のYAMAHA製でも30000円するではないですか。・・・自分が無知だったことを恥じ、正直ビックリしました。高い楽器は、数十万レベルなのだそうです。そういった楽器はとてもデリケートで小学生が扱うには難しいからYAMAHAのもので十分ですと仰って下さり選んできていただきました。(個体差のある楽器ですから、もし可能であれば、先生に選んでいただける事をお勧めします。)当たり前のことながら、天然木で出来ているため、とてもデリケートです。購入してすぐの時期は、吹いてよい時間はほんの数分。沢山吹いてはなりません。少しずつ吹く時間を長くしていき、馴染ませてゆく作業が必要です。ようやく1週間くらいするとある程度の時間吹く事を許されますが、解体してジョイント部等に施すメンテナンスや、息の入る内側のメンテナンス等々に加え、湿度などの管理が大事になってくるので、そういった作業が面倒に感じる方には、ちょっと覚悟がいるかもしれません。ただ、音は格段に違います。特に、響きのあるホールなどでは大きく差を感じて頂けると思います。娘はその後、アルトリコーダーも欲しいという事になり、それは翌年の誕生日に、数名カンパを募って購入しました。(やはりリコーダー界ではリーズナブルなYAMAHAです。50000円程度でした。)大事に使っています。こんなHPを見つけました。興味のあります方は、是非ご覧ください。 http://www.yamaha.co.jp/plus/?ln=ja (楽器解体全書) http://www.yamaha.co.jp/plus/recorder/?ln=ja (リコーダー)http://www.yamaha.co.jp/plus/recorder/?ln=ja&cn=11806 (木製リコーダーと樹脂リコーダー) リコーダーの好きな人は、ルネサンスやバロック期の音楽が好きな方が多いと感じます。正直、とても分かりやすく、情景も掴みやすく、それでいて素敵な曲が多いです。その時代の楽譜や作曲家に接する事で‘様式感’も学ぶ事が出来るので、嫌いじゃなければ他の楽器を勉強しながら触れておかれるのも良いかもしれません。ソロ楽器(特にピアノ)専攻の方はリコーダーを介してですがアンサンブルの勉強ができますし、メロディ部分を担当するパートでは、単声で歌う事に意識をするので、おのずとフレージングと呼吸の勉強にもなると感じます。(フルート等の管楽器でも有効かもしれませんね。) また、小学校で触れる楽器だけあり、大人になってからでも意外と身近に感じて頂ける楽器だと思います。リコーダー奏者の演奏を聴いたことのない方は、是非動画等で検索して触れてみて下さい。もしかしたら、リコーダーを音楽の授業でやっていた時の感覚とは別の、どこか新しい感覚で聴いてもらえることが出来るかもしれません。 (ちなみに、プラスチックの楽器は、どちらかと言うと鋭い音が出ますが、木のリコーダーは音色に個性があり、角が取れたようなまろやかな音がします。) 小学生のお子さんをお持ちのママさんが、お子さんと一緒にプラスチックのリコーダーでアンサンブルなどしてみるというのも、楽しいかもしれませんね。お子さんがピアノを弾かれるようでしたら、リコーダーの伴奏をしてもらってセッションするなど、色々親子のコミュニケーションも工夫できそうな気がします。そういえば、少し前に「栗コーダーカルテット」というグループが流行っていた事がありましたね!ユーモアのある演奏が聴けると思いますので、検索してみて下さい。・・・お読みいただきありがとうございます。今回はリコーダーについて話してきました。色々な楽器があり、楽しさ(&大変さ)もそれぞれ違います。ご検討される際は、是非イメージをして、数年後のお子さんやご自身を思い描てみてくださいね。ひとまず楽器シリーズは一旦一区切りにして、来週は新しいテーマに出来たらと思います。**************************************EduKidsボードメンバー:土屋友紀 プロフィール2児の母。年長よりピアノを始める。高校音楽科で作曲、大学で楽理を学び、大学院より声楽に転向し現在に至る。コーラスやミュージカル、ソロ歌唱指導や、ソプラノ歌手としての研鑽を積みながら活動中。2009年第24回全国童謡歌唱コンクール関東甲信越地区決勝大会最優秀賞受賞を機にTsucchy’s土屋ファミリーとして、家族で演奏活動を開始。昨年からは父含む親子4人で楽しく音楽を表現し、伝えてゆくことをモットーに活動している。これまでに横浜、福島、熊谷、東京、桑名、与論等、形態様々な演奏会に出演。メンバーは、母(ピアノ・ソプラノ、作編曲)、長女(小6、ヴァイオリン・うた)、次女(小5、うた・トーク等)、父(ギター)。2013年4月 レインボータウンFM 'シンクロプラス'「未来の演奏家たち」コーナーにゲスト出演。http://youtu.be/eib3XEmcUxo2013年7月31日神奈川新聞欄掲載。(「歌で強める地域の絆」 中区・土屋ファミリー)横浜市・中区地域福祉保健計画テーマソング「中なかいいネ!」ファミリー歌唱。CD一斉配布中。(参考:http://www.city.yokohama....y/iine-plan/info.htm<Facebookページ>https://www.facebook.com/Tsucchys