小川先生の大好評連載、「国語の学習で絶対に欠かせないこと」シリーズ第13回。今回は物語の先を読む技術についてです。*******************************************さて前回は物語文の攻略として、【受験用】気持ちの学び方 をお話ししました。本日はその続きとして、物語の先を読む技術をお伝えしましょう。ポイントは、人間の気持ちには常に裏があるという点です。「うれしい」時があれば、「悲しい」時もあります。「楽しい」日がすぎれば、「つまらない」日が来ます。「情けない」時を乗り越えて、「誇らしい」日がやってきます。頼もしい/頼りない満足/不満自信がある/ねたましい充実している/むなしい積極的/消極的楽しみ/不安など、明るい気持ちの裏には、常に暗い、後ろ向きな気持ちが隠れています。人間の気持ちは波のようなもので、上がったり下がったり、広がったり狭まったり、常に揺れ動くものです。余談ですが、一番心配症のお母さんが集まっているのは、塾のクラスで言うとどのあたりかご存知ですか?下の方のクラスでしょうか?真ん中あたりのクラスでしょうか?「どのクラスでも親は心配よ!」それはそうです。そうなんですが、実は一番上のクラスこそ、一番心配症のお母さんが集まっているものです。高く高く登ってきた分、落ちた時の谷の深さを感じてしまう。不思議に思うかもしれませんが、上手くいけばいくほど、失敗した時のことが怖くなる。人間とはそういうものです。そして、物語を読むときに、気持ちのこの性質を理解しておくと、話の先が見えてくるのです。「気持ちの変化を読み取る」物語の読解の基本ですね。そうです。気持ちは変化するのです。もっと言えば、良い気持ちで始まったのなら、その先の気持ちは悪くなる。悪い気持ちで始まったのなら、その先の気持ちは良くなるです。文章を読み始めて最初のほうで、友達とケンカをしていたなら、先々で仲直りをし、お互いの理解が深まり、主人公は自分の生き方の何かを変える決断をするんだろうな、ということが見通せます。冒頭に人気者でいる様子が描かれていれば、いずれ友達が去っていき、一人さびしくなる時がやってきます。ただし中学受験では、一人さびしいだけで文章が終わることはまずありません。ほとんどの学校が、「成長する」文章を選ぶからです。ですから、一人さびしい状態に置かれた主人公は、自分のこと、周囲の気持ちを理解し、新しい人間関係を築いていくのです。その時、以前のような人気者ではないかもしれないけれど、今までにない深い交流を手に入れているでしょう。いかがでしょうか。今まで物語の読み取りがどうもしっくりこなかった人は、人間の気持ちには常に裏があるということを頭において、物語文に向き合ってみてください。きっと見え方が変わってくるはずです。・出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/19322771/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602