パリ郊外で仏人のパパ、日仏ハーフの息子・アルチュールくんと3人で暮らす順子さん。アルくんの舞台出演を通じて、日本とフランスの子育て、教育に対する価値観の違いなど、様々な思いを綴っていただきます。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::舞台に立つことが生活に溶け込んでいっているようにみえたアルくんですが、やはり子どもの体には母親にしか分からない微妙なサインが…。千秋楽まで後わずか、最後までがんばれアルくん!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::夏の長い日本滞在からフランスに戻ってすぐの新学年の9月。今までお休みだった水曜が登校日になる新しいフランスの小学生のリズム。地元の習い事も始まり、そしてこのテアトルが連日連夜始まってはや3週間。私も子供も緊張状態から慣れてきて、少しずつ疲労に変わってきた頃でした。次の最後の公演は3日後。そして千秋楽です。私たちは1ヶ月だけの参加でしたが、この「室内」の欧州ツアーは5月のウイーンとベルギー、7月のアヴィニョン演劇祭を経て、そして3日後の千秋楽で締めくくる最後の大事な一日なのです。万全な体調で望みたい。でもそれは叶いませんでした。ーー2日前より体調を崩し、学校もお休みするほどの発熱と食欲不振と嘔吐。急性胃腸炎となりました。私は仕事を休み、看病しながらも土曜の事が頭によぎり、焦りと共に子供に疲れさせてしまった反省やらなんとか本番までに直りますよう祈ることしかできませんでした。寝ているだけとはいうものの、動けない演技はまず無理だろう、途中で嘔吐や退場などになってしまったら最後のフィナーレも台無し。。演出側の代役のお子さんの手配も考え、2日前には結論を出し、体調理由で最後は見合わせることになりました。子供は最後までやりたいと泣いて言っていましたが演技に支障がないとは言い切れず、最後はやらせてあげたい気持ちよりも、演劇全体のフィナーレを飾るほうを選びました。::::::::::::::::::::::::::::::::筆者プロフィール:エルンスト順子フランス在住10年目。欧州ビジネスコーディネータ。企業の営業推進部、国際輸出入業務を経て、現在、欧州市場進出、企業の市場開拓ビジネスに携わる。最近の大きな関心事は、「10年後に子供にどのようになっていて欲しいのか」日本語の勉強方法、モチベーション維持、楽しく学習する環境など、同じ境遇の日仏家族と語り合う。思春期までもうちょっと。今は子供との貴重な時間を優先している。