小川先生の大好評連載、「国語の学習で絶対に欠かせないこと」シリーズ第16回。今回は苦手というより勉強する意味あるのかなぁと思いがちな詩のお話です。*******************************本日は、「詩」について少しお話ししたいと思います。皆さんは詩に対して、どんなイメージを持っていますか?「なんとなく苦手」「良く分からない」「難しい」「入試にもあまり出ないし勉強の必要あるの?」国語の授業を行っていると、生徒からよくこんな声を聞きます。大人にとっても、詩は敷居が高いと感じる人が多いようです。「詩は自由に読み味わえばいいので設問を作るのはおかしい」と考える人もいますね。実際、中学入試でも詩を出題する学校は限られているのは、設問を作るのが難しいこと、採点する側に高い技量が求められること、も理由の一つです。「入試であまり出ないのなら、やっぱり勉強しなくてもいいんじゃないの?」となるのがむしろ普通でしょうね。しかし私は、国語の力を伸ばすために、詩の学習もぜひ行っていただきたいと思っています。詩を読み慣れることで、国語に必要不可欠な力が大いに養われるからです。その力は、「映像化力」。詩を難しいと感じる人が多いのは、少しの言葉で表された世界を、十分につかみとれないからです。例えば、「肌をなでる風が心地いい」という表現を考えてみましょう。ここからどんなことが分かりますか?「肌をなでる」のだから、○おだやかな風○半そでなど肌がある程度露出している服装「心地いい」のだから、○気温はそれほど高くない、寒くもない○天候も悪くはないといったことが分かってきます。さらに想像を広げましょう。空は? ⇒スッキリとした青空、雲があってもたなびく程度季節は? ⇒初夏のころ、または残暑も過ぎた秋の初め周囲の音は? ⇒風による葉ずれの音など、音は聞こえてくるけれど、それほどうるさくはない断定はできませんが、表現からイメージを連想していくことが可能です。こういった連想ができる力を、私は「映像化力」と呼んでいます。もちろん物語や論説文でも、映像化力は使うのですが、言葉がたくさん与えられていますから、文字を追っていくだけで、ある程度は分かってしまいます。映像化力を意識的に使うまではなかなかいかないのですね。しかし詩では、意識的に映像化していかないと、描かれている世界が伝わってきません。「意識して映像化力を使う」これこそが詩を学ぶ最大のメリットだと、私は考えています。夏休みも後半に入りました。気分転換の意味でも、少し詩に触れる時間を持ってみてください。文章の見え方が少しずつ変わってくると思います。最後に映像化の手順を挙げておきます。ぜひ参考になさってください。【映像化力を発揮する手順】1.書かれていることを具体的にイメージする ・色をつける ・顔が見えるようにする2.周囲の様子を付け加える ・見えるもの ・聞こえる音 ・雰囲気、感じ、気温3.時間の移り変わりを考える ・これまで何があった?【過去】 ・これからどうなりそう?【未来】正しく学べば、国語は誰でも成績が上がります。楽しくがんばりましょう!*****************************************************************・出典:https://edukids.rvlvr.co/media/17205140・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602