小川先生の大好評連載、「国語の学習で絶対に欠かせないこと」シリーズ最終回。小川先生の国語学習の極意シリーズ最終回。漢字学習の意義とコツです。*******************締めくくりの今回は、漢字について触れたいと思います。「漢字って暗記するだけでしょ?」と思う人が多いのですが、いざ学習しようとすると、これが一筋縄ではいきません。小学校で習う漢字が何文字かご存知ですか?「1006字」なんです。ということは小学校配当漢字だけで作られる2字熟語の数は、理論上1006×1006で、約100万語あることになります。実際にはそんな数にはなりませんが、通常使用される言葉でも1万語以上の熟語があります。「暗記するだけ」って言えないですよね。いくら覚えてもキリがありません。ところが実際には、漢字の問題でいつも満点、というお子さんがいますね。一方、漢字の勉強時間もそれなりに取っているはずなのに、テストでは10問中7問正解するのがやっと、というお子さんもいます。この差はどこから生まれるのでしょう?同じ時間勉強しているはずが、漢字の点数に差がついてしまう、その理由は、暗記している内容の違いなのです。お子さんが漢字の書き取りをする時、目がどこを見ているかチェックしてください。漢字に直すカタカナの部分だけ見ている子 ・・・×です。文を読んでから、傍線部分に目をやって漢字を書き出す子 ・・・○です。漢字を学習するとは、1.字の形を覚える2.字が持つ意味を覚える3.目の前の文を読んで内容を確認する4.文の内容にあう意味の漢字を思い出すこの4つのステップを経ていくものです。(「部首」の学習は、1と2の両方に関わっています。)「漢字は暗記するだけでしょ」と言う子は、1と2しか意識できていなことがほとんどです。漢字の勉強は、「漢字」を覚えるものだと考えているのですね。ですから、テストで出来ないと、「習ってないもん」と平気で言います。一方、いつも漢字の点数がいい子は、漢字の勉強とは、「文章の理解+漢字の暗記」ということをよく分かっています。常に文章の中で漢字を覚えていきますから、自然と言葉の意味と合わせて漢字を理解していきます。すると、「文脈から判断して、こっちの字だな」ということが分かるようになってくるのです。突然ですが、次のカタカナを漢字に直してみてください。■キュウタイのスクリーンに情報をウツし出す■センサーがカンチして映像も動きます■ソウデンが再開されました■2本のレールの中間にハガタのあるレールをモウけ、シャリョウ側のゲンドウキで答えは順に、球体 / 映(し) / 感知 / 送電 / 歯形 /設(け) / 車両 / 原動機となります。「関知」や「歯型」と書いてしまった人はいませんか?また「原動機」が思い浮かばなかった人もいるんじゃないでしょうか。文の意味が分からないと、同じ音の漢字のいずれを使えばいいのか、判断ができませんね。今の文はいずれも、本日の「朝日小学生新聞」から抜粋したものでした。(一部言葉を変更しています)「デジタル地球儀」の記事、東日本大震災の被災地でようやく電気が復旧した話題、碓氷峠で採用された、「アプト式」の登山鉄道の話題「アプト式」について知っている子はもちろんのこと、文を読んでイメージがわいた子であれば、「歯形」と書けるでしょう。しかし、映像が全く浮かばない子なら、漢字の音だけから判断して、「歯型」と書いてしまうでしょうね。これが、漢字の勉強とは、「文章の理解+漢字の暗記」ということです。つまり、漢字の力を高めたければ、文章理解を深め、文章の記憶を増やしていくことが大切なのです。入試の文章には、「自然と科学の進歩」「時間」「テレビと読書」など、非常に良く出るテーマがあります。そして同じテーマの文章には、似た言葉が用いられるのが普通です。ということは、同じテーマの文章では、同じ漢字の書き取りが出てくるということになります。1つ1つの文章で、きっちりと理解し、記憶にとどめた子は、次に似た文章が出てきた時に漢字の書き取りも余裕です。文章を読み散らかして、理解も記憶も中途半端な子は、同じ漢字が出てきても気づきません。漢字の学習には、漢字の問題集を解きつぶして暗記することが、もちろん必要です。しかし、文章読解自体がすでに漢字の学習になっている、ということも意識するようにしましょう。そうすれば漢字の得点力が確実にアップしていきます。少なくとも、カタカナだけを見て漢字を書いてしまうということはなくなるでしょう(笑)正しく学べば、国語は誰でも成績が上がります。楽しく勉強していきましょう!出典:http://ss1ogawa.exblog.jp/19546402/・EduKidsブレーンご紹介:http://edukids.rvlvr.co/wf/contents/16779602