「チャレンジカップ」とは「なりたい自分」や「乗り越えたい課題」「やってみたかったこと」などそれぞれがチャレンジしてみたい「目標」を設定し、その達成に向けてがんばるという大会です。チャレンジのテーマは自由!皆さんが心からチャレンジしてみたい!と思えることであればなんでもOK! 今回もそれぞれの部門で、16,000人を超えるチャレンジャーの子どもたちが自分たちの頑張りを発表、審査を経て、ついにグランプリが決定します。その決定戦でみんなのチャレンジの発表を見学してきました! 会場は大手町・日経ホール。沢山の客席には、応援の家族や友達たちが駆け付けています。全国約16,000人の中から、ファイナリストとして選ばれたのは8組。この会場でそれぞれの活動を発表し、会場参加者の投票と特別審査員の審査によって、日本一となるグランプリが決定します。会場で手渡された資料によると、8組の顔ぶれ・年齢・人数もそれぞれです。震災支援のための社会貢献にチャレンジした中学生2名、志望校合格のためにグループで自習時間を累計し目標を達成しようと励ましあった小・中学生7名、地域の方々へ学校の紹介をしようと身にオープンスクールを企画した学年80名、吹奏楽部で校内アンサンブルの受賞を目指し努力した高校生1人など、頑張った分野は様々です。 しかし、舞台に上がって発表するファイナリストたちの顔はみんな輝いていて、目標を設定しここまで頑張ってきたことに対する自信と誇りに満ち溢れていました。途中、会場に集まってくれた方々にも「チャレンジ決意シート」を配り、ファイナリストの頑張りに勇気をもらった方々が、それを自分にもフィードバック出来る仕組みになっています。 厳密な審査の結果、グランプリを受賞したのは、県外の大学受験を控えた高校生。チャレンジカップをきっかけに、家族の手伝いをするチャレンジにエントリー。「具体的なゴールを設定したほうが良い」と先生にアドバイスを受けた彼は、「5000回」という目標設定をしました。 毎日、手伝いをした回数を手帳に記録し続けるも、途中で「5000回」という回数は現実的な数字ではないことに気づきます。半分の2500回にゴールを再設定した彼ですが、それでも1か月で500回、1日平均16回お手伝いをする計算になります。6時半に起きて家族を起こすこと。朝食を配膳したり、卵焼きを作ったり。布団をたたんで家の整理をしてから登校。部活が終わって母親と合流して、一緒に買い物。食後の皿洗いをして、洗濯をして、干して、さらに干してあった洗濯物をたたむ。毎日22時までお手伝いをして、それから宿題をすると、毎日寝るのは24時。 毎日毎日、5か月間にわたってお手伝いを続けることは、容易ではありません。しかし彼は「このチャレンジはただのお手伝いではない。自分の転換点になる、人生の選択の時なんだ」という思いで、自分に負けることなくやりきることができました。結果は、2511回。チャレンジを達成した彼は、こう変わったと言います。「ありがとうと言われたい」という気持ちから「ありがとうと言いたい」という気持ちに変化をしたこと。家族以外の人に対しても、「何か困っていることはないか」と考える意識が強くなったこと。「おばあちゃん、たくさんの家事をしてくれてありがとう」「おじいちゃん、僕たちの生活を支えてくれてありがとう」「会場にいるお母さん、たくさん苦労かけてるけど、ここまで育ててくれてありがとう」 そんな彼の発表を聞いた会場の参加者からは「大人になって今でも、ちゃんと親に感謝したことはなかったな」「今すぐ妻に電話をして『ありがとう』って言ってみる」といった声が聞かれ、温かい気持ちで会場中が満たされました。 チャレンジと一言で言っても、内容は様々です。でも、具体的な目標を設定してトライし、ダメなら改善して再度トライという過程は、その先にグランプリがあってもなくても、子どもたちを大きく成長させていることが良く分かります。 エントリーし挑戦した皆さん、それぞれの物語が、より良い明日につながっていく。そんな清々しい思いで会場を後にしました。関連HPhttp://www.challenge-cup.net/