夜早く寝る子どもほど、やる気につながる自己肯定感が高い傾向にあることが、文部科学省が行った生活習慣についての全国調査で明らかになった。 逆に「午前中、体の調子が悪い」「なんでもない(理由がない)のにイライラする」と答えた子どもは、寝る時刻が遅いほど割合が高くなる傾向にあり、文科省は、睡眠時間が子どもの心身に大きな影響を与えることが裏付けられたとしている。 調査は、小学5年~高校3年の8学年で、各学年100校(計800校)を抽出して実施。このうち771校の2万3139人の児童・生徒から、毎日の睡眠や朝食の状況について回答を得た。 就寝時刻によって子どもをグループに分け、「自分のことが好きだ」という自己肯定感の程度との関連を調べたところ、自己肯定感が高い子どもは、午後9時より前に寝るグループで約2割を占めた。自己肯定感が高い子どもは、就寝時刻が遅くなるとともに減少し、午前0時前後に寝るグループでは1割にまで下がった。 自己肯定感は、やる気や自信につながるとされ、文科省は、自己肯定感の育成を、小学校高学年での重視すべき課題として位置づけている。 また、就寝時刻が遅いほど「午前中の調子が悪い」と答える割合が増える傾向が見られた。中学・高校生では午前3時以降に寝るグループで約4割が「(不調が)よくある」と答えた。 「なんでもないのにイライラする」と答えた割合も、寝る時刻が遅いほど多くなる傾向が小中学生で見られた。 分析に当たった和洋女子大学の鈴木みゆき教授(睡眠学)は「早く寝ることで睡眠時間や生活のリズムが保たれ、体の調子が良くなり、自己肯定感の高さなどにつながるのではないか」と話している。(出典:2015年5月1日 読売新聞)関連情報:文部科学省『睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果』http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1357460.htm