平成28年度予算政府案が12月24日、閣議決定されました。文部科学関係予算案は5兆3,216億円で、27年度と比べ133億円の減少となりました。このうち文教関係予算が4兆557億円(27年度比90億円減)、スポーツ関係予算が324億円(同34億円増)、文化芸術関係予算が1,040億円(同2億円増)、科学技術予算が9,620億円(同60億円減)となりました。文教関係予算の指針としては・・・○我が国が引き続き成長・発展を持続するためには、一人一人の能力や可能性を最大限引き出し、付加価値や生産性を高めていくことが不可欠。このため、特に若者や女性に光を当て、教育の再生のための取組を強力に推し進めることが必要。○そのため、 《社会を生き抜く力の養成》 ・教員の「質」と「数」の一体的強化や初等中等教育の教育課程の充実、高大接続改革の推進など 《未来への飛躍を実現する人材の養成》 ・大学改革の推進やグローバルな視点に立って活躍する人材の育成など 《学びのセーフティネットの構築》 ・幼児教育無償化に向けた取組の段階的推進や大学等奨学金事業の充実、学校施設等の老朽化対策などをはじめとする「教育再生」を実現するための施策に重点化。とされています。全体的には前年比133億減となったものの、初等教育分野ではグローバル教育や学習指導要領等の改訂及び課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学びの推進などに前年度比増の予算が計上されています。具体的な予算として、初等中等教育に関係するポイントを資料から抜粋しました。下記も併せてご覧ください。※( )内は前年度比■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■『平成28年度文部科学関係予算(案)のポイント』資料から以下抜粋 ※( )内は前年度比○ICT活用による学びの環境の革新と情報活用能力の育成:7億円( 前年同 )○初等中等教育段階におけるグローバルな視点に立って活躍する人材の育成:220億円( 18億円増 ) ◇小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業:12億円( 5億円増 ) ◇スーパーグローバルハイスクール 112校→119校(7校増):11億円( 前年同 ) ○新しい時代にふさわしい教育制度の柔軟化の推進 0.6億円(前 年 同) ・児童生徒の発達の早期化、自己肯定感の低さ、小1プロブレム、中1ギャップ等の課題に対応するため、フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業や中学校夜間学級の設置促進を27年度補正予算案に前倒しして実施するほか、引き続き小中一貫教育指導の推進を図るなど、実情に応じたきめ細やかな教育の充実を行う。 ◇小中一貫教育推進事業 0.5億円( 0.1億円増) 小中一貫教育の導入に向けた先導的取組を支援 6県→9県、1政令市(4県市増)○教育課程の充実 29億円( 2億円増 ) ・これからの時代に求められる資質・能力を育成する観点から、学習指導要領改訂等を着実に行うとともに、その理念を実現するため、「アクティブ・ラーニング」の視点からの学習・指導方法の改善等を推進し、初等中等教育の教育課程の充実を図る。 ◇学習指導要領等の改訂及び課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学びの推進 6億円(4億円増) ◇次代を見据えた教育課程・指導方法等に関する先導的研究開発 1億円(前年同) ◇幼稚園教育要領の改訂 0.1億円(新規) 等○学校・家庭・地域が連携した絆づくりと活力あるコミュニティの形成 68億円( 1億円増) ・学校を核とした地域力強化の仕組みづくりを推進するとともに、地域の活性化につながる多様な取組を展開することにより、まち全体で地域の将来を担う子供たちの育成及び地方創生の実現を図る。 ◇地域学校協働活動の推進 65億円(1億円増) 地域と学校をつなぐコーディネーターが中心となり、地域人材の参画による、学校の教育活動等の支援など、学校・家庭・地域が協働で教育に取り組む仕組みづくりを推進し、地域力の強化及び地域の活性化を図る。 ・放課後子供教室 14,000箇所→15,500箇所(1,500箇所増) ・地域コーディネーターの配置 12,500人→15,000人(2,500人増)、統括コーディネーターの配置(新規) 250市町村○初等中等教育段階におけるグローバルな視点に立って活躍する人材の育成 220億円( 18億円増) ・グローバル人材育成については、第二期教育振興基本計画等を踏まえ、日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付け、様々な分野で活躍できる人材の育成が重要である。このため、我が国の伝統・文化についての理解を深める取組を実施し、また、小・中・高等学校を通じた英語教育改革の推進、在外教育施設の教育環境の改善等の取組の充実を図る。 ◇我が国の伝統・文化教育の充実に係る調査研究 0.1億円(前年同) ◇小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業 12億円( 5億円増) ・小学校英語教科化に向けた専門性向上のための講習の開発・実施(新規) 47機関 ・専門性の高い非常勤講師や英語が堪能な外部人材等の配置(新規) 1,165人 ◇スーパーグローバルハイスクール 112校→119校(7校増) 11億円(前年同) ◇在外教育施設教員派遣事業等及び海外子女教育の推進 1,084人→1,098人(14人増) 等 193億円(13億円増)○公立学校施設の老朽化対策を中心とした教育環境 709億円の改善等の推進( 64億円増) ・安全を確保し、質の高い教育活動を支えられるよう老朽化への対応を図るなど、教育環境の改善を推進。 ◇小中学校等の学級数の増加等に伴う教室不足への対応等 ◇老朽化対策を含む教育環境の改善長寿命化による対応を含む老朽化対策等を推進 文部科学省の発表については下記をご覧ください。 ▼【文部科学省】 平成28年度予算 http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h28/1361362.htm 平成28年度文部科学関係予算(案)のポイント (PDF:759KB) http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2015/12/24/1365594_1_1.pdf 平成28年度文部科学関係予算(案)主要事項 (PDF:1007KB) http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2015/12/24/1365594_2.pdf